下眼瞼のクマ、たるみの治療には複数の治療方法があり、当院では様々な方法を行なっています。その中で、切開をせず、脂肪の膨らみを目の下のくぼみに移動させる「裏ハムラ法」の治療後の腫れなどのダウンタイムについて説明します。
裏ハムラ法について
裏ハムラ法について
裏ハムラ法とは、突出した脂肪(黄色い丸)を取り出すのではなく、目の下のくぼみ(赤い線)を埋める様に、下方向に移動させる方法です。
ただ単純に脂肪を引っ張り出して、下に縫い付けるのではなく、今後脂肪が膨らんできても目の下の綺麗なカーブが崩れないように、いくつかの工夫が必要な目の周囲の治療の中では比較的難易度の高い手術になります。
加齢により脂肪が下に下がってきた場合、通常であれば、左の図のように前に押されますので膨らみが大きくなり、皮膚も伸ばされてたるみます。
裏ハムラ法を行えば、右の図のように、新たに作ったスペースに脂肪が移動しますので脂肪の膨らみができず、皮膚がたるまず、綺麗なカーブが維持されます。
また、もう一つ大きな利点は、脂肪注入と比較すると移動した脂肪は100%生着します(移動しただけなので脂肪は減りません)ので、しっかりくぼみを埋めることができます。
脂肪注入も優れた方法ですが、脂肪の生着率が良くて50%なので、どうしても多めに脂肪を入れるか、生着が悪ければ二度目の脂肪注入が必要になります。
裏ハムラ法の術後1ヶ月までの経過写真
さて、このように優れた方法ですが、欠点として術後しばらく腫れます。
これは、脂肪の移動先のスペースを作る際に、目の下の骨のあたりまでやや広範囲に処置を行うからです。 モニターさんの術後経過写真で説明します。
正面から(上を向いた状態)
斜め横から
写真を見てもらえるとわかるように直後はとても綺麗な状態ですが、術後2日ごろをピークに腫れます。ただ、1週間後にはほとんど腫れが治まっています。(こちらは個人差があります。)
治療時には、出血をしない様、丁寧に行いますのでほとんど内出血はないのですが、どうしてもこれくらいは腫れます。
裏ハムラ法の術後経過まとめ
もう一度、連続写真で説明します。
黄色い丸で囲った突出した脂肪を、脂肪の隔膜ごと出血をしないように、丁寧に青いスペースに移動させる治療です。新たに作られたスペースに今後脂肪は常に移動しますので、将来的に脂肪が増えても、膨らみにくく、目の下の凹みもできにくい方法です。
欠点は、
- 腫れます。(術後2日頃がピーク)
- 皮膚は切りませんので、皮膚が元々たるんでしまっている場合には不向きです。(その場合は、切開を行う「ハムラ法」の適応です。)ややこしいですが、「ハムラ法」は表の皮膚を切る方法です。「裏ハムラ法」は瞼の裏側を切りますので、表に傷は出ません。
- 青クマ、茶クマなど、皮膚表面~皮膚のすぐ下の色によるクマの改善には不向きです。形を綺麗にする治療です。
下眼瞼の治療について
- 現在、下眼瞼のクマやへこみに対しては以下の治療を行っています。
- 脂肪除去のみ
- 脂肪除去+脂肪、コラーゲン、ヒアルロン酸のいずれかの注入
- 脂肪、コラーゲン、ヒアルロン酸のいずれかの注入
- 裏ハムラ法
- ハムラ法
- 下眼瞼の脂肪除去はたるみが軽度でtear trough(下眼瞼の内側から真ん中まで伸びる溝)が深くなく、脂肪が突出していることでいわゆる目の「影クマ」、「黒クマ」に悩んでいる方に適した治療方法です。
私の治療方針は、しっかりと脂肪を摘出することです。 - 脂肪の除去は丁寧にかなり時間をかけて行います。何度か治療中に座っていただき、過不足なく脂肪が除去されているのを確認します。
- 皮膚のたるみが強い場合は、皮膚を切る治療(ハムラ法)を行いますが、できるだけ皮膚を切らない脂肪除去と注入もしくは裏ハムラ法で行えるよう努力しています。
- 脂肪除去でここまで改善できますので、無理に皮膚を切る治療は勧めていません。
- この方は脂肪をしっかり取りましたが、まぶたの皮膚が薄いためほとんど弛みませんでした。
- 注入に使用するヒアルロン酸は入れ過ぎると、いわゆる「ヒアル顔」になりますので、慎重に注入します。
- ご自身の脂肪を使って行うマイクロファット・ナノファット注入を行なっています。特に目の下のクマや目の上の窪み、おでこにはおすすめです。
- 注入の際は、脂肪注入専用の機器を使って治療します。
- 2021年7月現在、脂肪注入治療のモニターさんを募集しています。詳しくは当院までお問い合わせください。
- 目の下の「青クマ」が強い方の場合、マイクロファット、ナノファットの脂肪注入かコラーゲン注入を行なっています。
- 当院院長が、2020年に発行された美容皮膚科雑誌の「BEAUTY」でクマ治療について執筆しています。
当院では、美容外科治療と美容皮膚科治療の両面でクマ治療を行なっています。
その他詳しい内容(その他の症例写真、ダウンタイム、料金など)
ハムラ法・裏ハムラ法をご覧ください。
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