深いしわや溝、たるみなど、顔に現れる症状は、表面の皮膚だけではなく骨格や筋肉、皮下組織を含む顔全体の組織の構造が、加齢で立体的に変化することによって起こります。
そのため、より良い治療結果を得るためには、これらの立体的な変化を考慮に入れることが大切です。
顔面骨格の損失
数十年単位の長いスパンで見た場合、概ね30代以後は骨の萎縮や変形が起きるため、下記の部位を中心に顔の骨格も変化します。
- 側頭部の陥凹
- 前頭骨の陥凹
- 眼窩の拡大
- 上顎骨の縮小と後退
- 梨状口の拡大
- 下顎骨の縮小
- 顎の突起の減少、短縮
骨格の損失/後退とともに現れる主な症状
骨格の変化によって、顔の皮膚や軟組織が垂れ下がり、以下の症状が現れます。
- こめかみの陥凹
- 眼窩の陥凹
- 下眼瞼の下垂
- 頬の下垂
- 頬の陥凹
- 法令線の明瞭化
- マリオネットラインの明瞭化
- 顎の突起の減少、輪郭の不明瞭化
- 二重顎
顔面の靱帯
筋膜・腱と異なる強靱な結合組織の短い束を靭帯(じんたい)と言います。
靱帯は骨膜・深部筋膜に固定され、真皮に至ります。
顔にかかる重力に対抗して眼部軟組織を支え、正常な解剖学的位置に維持する働きがあり、また、靱帯と隔膜は、脂肪組織を分離しています。つまり、靭帯は重力による顔の垂れ下がりなどの変化を防ぎ、若々しさを保つために重要な役割を果たしていると言えます。
- 上側頭溝
- ティアトラフの靱帯
- 眼輪靱帯
- 頬部皮膚靱帯
- 上咬筋皮膚靱帯
- 広汎性耳介筋膜
- 咬筋皮膚靱帯
- 下顎皮膚靱帯
- 下顎中隔
しかし、加齢による変化によりその靱帯の働きが弱まる事で顔の変化が進み、これらの部位に深いしわが形成されます。
脂肪組織の位置移動と下垂
顔の脂肪は、加齢による変化による下垂(垂れ下がること)により下の位置に留まり、また、脂肪の量も減少するのも相まってお顔のしわの溝が深くなる要因となります。
中顔面(顔の目と口の間のエリア)の変化は、頬脂肪体の下垂と減少により眼窩下やゴルゴライン(眼瞼頬溝)、ほうれい線(鼻唇溝)のしわが深くなる症状が見受けられます。