「赤ニキビ」は、放っておくとニキビ痕(あと)につながることがあります。研究報告では、炎症性のニキビの約12個に1個が「アイスピック型」と呼ばれる深い凹みの痕になったケースが示されています。

さらに、コメド(面ぽう=白ニキビ・黒ニキビ)からも萎縮性瘢痕が生じること、炎症後の赤み(炎症後紅斑)や色素沈着が痕へ進展することも報告されています。
一度できたニキビ痕は自然に消えるまで時間がかかるため、新しいニキビをつくらないことと早めに治療を始めることがとても大切です。


ニキビ痕の種類
ニキビ痕にはいくつかのタイプがあります。ご自身の状態に近いものをチェックしてみてください。
凹みタイプ
(クレーター)
アイスピック型・ローリング型・ボックス型など、肌表面が凹んで見えるタイプ。
盛り上がりタイプ
(肥厚性瘢痕・ケロイド)
赤くしこりのように見えるタイプ。
色が残るタイプ
(PIH/PIE)
赤み(炎症後紅斑)や茶色っぽい色素沈着が長く残るタイプ。
※ タイプによって適した治療が異なります。複数が混在することも珍しくありません。
ニキビ痕を防ぐためのポイント
- できるだけ早く治療を始める:炎症が強く長引くほど痕になりやすくなります。
- 触らない・つぶさない:物理的な刺激は悪化や痕の原因になります。
- 紫外線対策:赤み・色素沈着を濃くしやすいので、日中はUVケアを。
- 適切なスキンケア:洗いすぎ・摩擦はNG。低刺激の保湿でバリア機能を守りましょう。
- 生活リズムを整える:睡眠不足・ストレス・偏食は悪化要因です。
当院でできる治療一覧(ニキビ/ニキビ痕)
お肌の状態(炎症の有無・痕のタイプ・肌質)を確認し、組み合わせてご提案します。
※治療効果や必要回数には個人差があります。
炎症性ニキビ・再発予防を中心に
- ● アグネス
皮脂腺へ直接アプローチし、再発しにくい環境を目指します。 - ● 面ぽう圧出
毛穴につまった角栓・膿を適切に排出し、悪化を予防。 - ● サリチル酸マクロゴールピーリング
角質ケアで詰まり予防・トーンアップをサポート。 - ● ライムライト
赤みや色むらの改善をサポート。 - ● ジェネシス
温熱で赤みや肌質の改善を目指します。 - ● イソトレチノイン
皮脂分泌の抑制を目的とした内服治療(適応と注意点を医師が確認)。 - ● トレチノイン外用
角化を促し、詰まり・色素沈着の改善をサポート。 - ● ビタミントリートメント
ビタミンA・Cなどで健やかな肌環境づくりに。 - ● キュアジェット
針を使わずに薬剤を浸透させ、炎症後の赤みや質感のケアを後押し。
凹み・質感(萎縮性瘢痕)を中心に
- ● CO2フラクショナルレーザー
点状の照射で肌の再生を促し、凹み・毛穴の改善を目指します。 - ● ダーマペン
微細な刺激でコラーゲン生成を促進。ヴェルベットスキン(PRX-T33等の薬剤併用)で相乗効果も。 - ● サブシジョン
皮下の癒着を物理的にリリースし、凹みを持ち上げることを狙います。 - ● トライフィルプロ
肌の土台に働きかけ、凹みや質感の底上げを目指します。 - ● プルリアル
肌育の観点からハリ・なめらかさをサポート。 - ● コラーゲンピール
真皮リモデリングを促し、質感・艶感の向上をサポート。
色が残るタイプ(赤み・色素沈着)を中心に
- ● ライムライト
赤み・色むら・シミに幅広く対応。 - ● ジェネシス
赤みの軽減やキメの整えに。 - ● トレチノイン外用+● ビタミントリートメント
ターンオーバー促進と肌力アップ。 - ● キュアジェット
ダウンタイムを抑えながら薬剤浸透をサポート。
総合的な肌質・巡りのサポート
- ● ニキビ美容鍼
血行や自律神経のバランスを整え、トラブルの起きにくい肌環境を目指します。
症状が混在する場合は「組み合わせ治療」が有効です。医師が肌状態を拝見し、無理のないプランをご提案します。
ご相談の流れ
- 問診・カウンセリング:お悩み・生活習慣・スキンケアを丁寧に確認。
- 診察:ニキビの活動性/痕のタイプを判定し、適応を見極めます。
- 治療プランのご提案:ダウンタイム・回数・費用目安をご説明。ホームケアもセットで最適化。
- 施術・経過フォロー:治療効果を見極めながら、必要に応じて調整します。
「最近ニキビが増えた」「痕が残りそう」など、どんな小さなお悩みもご相談ください。
参考文献
- Do TT, et al. J Am Acad Dermatol. 2008;58(4):603-608.
- Tan J, et al. J Drugs Dermatol. 2017;16(6):566-572.