下まぶたのたるみやクマに対する当院の治療症例をご紹介します。
本症例ではまず下眼瞼脂肪除去(下眼瞼脱脂)を行い、続けて目の下の窪みへの脂肪注入、必要に応じて下眼瞼の皮膚切除を実施しました。
症例概要
60代 女性。目の下の脂肪突出と皮膚たるみを主訴に来院されました。
症例写真
治療前の状態
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目の下には大量の脂肪とその下の溝があり、皮膚のたるみ(いわゆる目袋)が強く、涙袋が隠れている状態でした。
このようなケースでは以下の選択肢が考えられます:
- ハムラ法
- 皮膚切除+脂肪除去
- 脂肪除去+脂肪注入
患者様のご希望でまず皮膚を切らないアプローチを優先し、下眼瞼脂肪除去を行ったのち、必要に応じて脂肪注入と皮膚切除を行い、ハムラ法と同等の改善を目指しました。
治療後の比較
結果は、目袋の消失、目の下の窪みの改善、皮膚たるみの軽減が得られ、術後1ヶ月時点で傷はほとんど目立ちませんでした。
比較画像まとめ
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静止時や上方視時ともに脂肪突出によるクマが改善され、涙袋から頬にかけて自然で若々しいラインが再現されました。
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目袋がなくなり、涙袋から頬にかけて若々しいラインになっています。
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横から見ると、目の下から頬にかけてのラインの変化がわかりやすいです。
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治療のポイント
皮膚切除を行うとたるみは確実に取れますが、皮膚を取りすぎない工夫や眼輪筋外反(あっかんべー)を起こさない手技が重要です。当院ではその点に配慮して治療を行っています。
当院で行う下眼瞼治療メニュー
- 現在、下眼瞼のクマやへこみには下記の治療を組み合わせてご提案しています。
- 脂肪除去のみ
- 脂肪除去+(脂肪・コラーゲン・ヒアルロン酸)注入
- 脂肪・コラーゲン・ヒアルロン酸注入
- 裏ハムラ法
- ハムラ法
- 下眼瞼脂肪除去は、たるみが軽度でtear troughが深くなく、脂肪突出による「影クマ・黒クマ」に適する治療です。当院は過不足なく丁寧に脂肪を摘出する方針です。
- 皮膚のたるみが強い場合はハムラ法(皮膚切除を含む方法)が有効ですが、可能な限り皮膚を切らない方法(脂肪除去+注入、裏ハムラ法)を優先しています。
- 脂肪除去のみで十分に改善する症例も多く、安易な皮膚切開は勧めていません。
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- 脂肪除去は丁寧に時間をかけて行い、治療中に何度か座位で確認しながら過不足のない調整を行います。
- 注入に用いるヒアルロン酸は入れすぎると不自然になるため、自然な仕上がりを重視して慎重に注入します。
- 自家脂肪を用いたマイクロファット・ナノファット注入も行っており、目の下やおでこのくぼみの改善に適しています。
- 青クマが強い方にはナノファットやコラーゲン注入を組み合わせることがあります。
- 当院院長は美容皮膚科誌「BEAUTY」(2020年)でクマ治療について執筆しており、美容外科と美容皮膚科の両面から最善の治療を提供しています。
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治療概要
- 治療名
- 下眼瞼脂肪除去法+脂肪注入+目の下皮膚切除(必要時)
- 患者様属性(治療時)
- 60代 女性
合併症・副作用・リスク(経験に基づく)
- 皮下出血(ほぼ出現します)
- むくみ(術後数日〜)
- 腫脹(術後は必ず生じます。安静・保冷・必要時テーピングなどで対処)
- 感染(稀)
- 左右差(慎重な操作で最小限にします)
- 眼瞼外反(起きにくい工夫を行っていますが一時的に生じる場合あり)
- 傷痕(多くは目立たなくなります)