ニキビと似ているけれど違う？粉瘤・毛包炎・稗粒腫との見分け方

粉瘤（ふんりゅう）

粉瘤は、最も頻度の高い良性の腫瘍です。皮膚の内側に袋状の構造物ができ、角質が内部に溜まることによってできます。アテローム、表皮嚢腫（ひょうひのうしゅ）とも呼ばれます。

ニキビと見た感じは似ていますが、よく観察すると

• ・「へそ」と呼ばれる開口部（表面の黒い点）がある。※見えにくい場合もあります。
• ・皮膚の浅い層にできるのでうっすらと青黒くみえることが多い。
• ・薬では完治せず、次第に大きくなる。※ニキビではありえない大きさになることもあります。
• ・触ると硬く、皮膚の中にしこりがある。
• ・内容物から悪臭がする。

などの特徴があります。

毛包炎（もうほうえん）または毛嚢炎（もうのうえん）

毛包炎（または、毛嚢炎）は、毛包部に出来た傷などから毛穴に生じる感染症です。
ニキビもアクネ菌により炎症を起こしますが、毛嚢炎の原因菌はほとんどが黄色ブドウ球菌でまれに緑膿菌などの場合もあります。

• ・毛穴のある位置が赤みを帯びる。
• ・中央に膿をもった皮膚の盛り上がりがみられる。
• ・痛みやかゆみがあることもある。

石灰化上皮腫

皮膚の一部が石灰のように硬くなる良性の皮下腫瘍の1つです。
自然に治ることはありません。
内服薬や外用薬、レーザーなどでの治療は出来ず、外科的手術が第一選択となります。
瞼や顎にできた場合、腫瘍が小さな時はニキビと間違えることもあります。

• ・石の様に硬いしこりがある。
• ・ほとんどの場合無症状だが、かゆみや押すと痛い時がある。
• ・皮膚の色は正常または、黄白色や青黒い色に見えることもある。
• ・細菌感染を起こした場合、赤くはれ上がる。

稗粒腫（ひりゅうしゅ/はいりゅうしゅ）

1～2mmの白いぶつぶつで、目の周りによくできます。
表皮嚢腫（のうしゅ）の小さいものと考えられています。
健康的な害はありません。

• ・直径1～2mmの白くてかたい丘疹（ぶつぶつ）。
• ・多くの場合、多発する。
• ・成人に出来たものは、自然には消えにくい。
• ・内服薬や外用薬では完治しない。