【ニキビのお薬】市販薬・処方薬・自由診療の違い

【ニキビのお薬】市販薬・処方薬・自由診療の違い

ニキビは90%以上の人が経験する身近な皮膚疾患です。化粧品やスキンケアで対応する方が多いですが、間違ったケアで悪化したりかぶれたりすることもあります。ニキビは早期の症状から医療機関で治療することができます。治療薬には特徴があり、ひとりひとりに合った治療選択が重要です。ニキビ痕を残さないためにも、なるべく早めに治療を開始し、さらに良くなった状態を維持する治療の継続を心がけましょう。

1.市販薬と処方薬の違い

市販されている化粧品や医薬部外品には、ニキビを予防したりできにくくする作用があるものもありますが、ニキビの治療薬ではありません。また市販薬の成分は処方薬よりも弱いものがほとんどであり、含まれる有効成分の量も少ないです。
処方薬は、有効性が十分に確認されてから、厚生労働省の承認を得て使われています。

有効性の確認

1.1 市販薬のメリット・デメリット

世界保健機関(WHO)はセルフメディケーションを「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。
わざわざ病院に行くまでもない軽度の症状の場合、市販薬はドラッグストなどで気軽に購入できるメリットがあります。

デメリットとしては、市販薬はどんな人(老若男女・大柄小柄な体形)が使っても安全であることが重要視されているので、くすりの有効成分含有量は少なめになっているものが多く、初期や軽症の段階で使用する目的で作られている為効能が弱いということです。

市販薬と処方薬

1.2 処方薬のメリット・デメリット

処方薬のデメリットとしては、病院に出向き診察を受けなくてはならない為、薬を手にするまでに時間がかかる。土日は病院がお休みの場合が多いなどがあります。

メリットとしては、厚生労働省の承認を得て有効性が十分に確認されているので、効果が高く、個人の年齢体形などに合わせて、医師が的確な分量や使用法を処方するので安心して使用が出来るということです。また「ニキビ」と言っても症状や原因は人それぞれです。医師の診断で適した種類の薬が処方されることも大きなメリットと言えます。

 市販薬と処方薬のメリット・デメリット

2.薬の種類

2.1 市販のニキビ薬

化粧水

市販されているニキビ薬は数多く、塗り薬や化粧水やパックなど様々な種類があります。軽度なニキビであれば軽快する場合もあるかもしれません。しかし、かぶれたり、漫然と使用してニキビが悪化したりする場合も少なくありません。

2.2 お医者さんに処方してもらえる4つの薬の種類

ニキビの治療薬として適応があるのは以下の4つの外用薬になります。

ディフェリンゲル0.1%

ディフェリンゲル0.1%

アダパレンというビタミンA誘導体が主成分の薬で、毛穴のつまりを取り除きます。ニキビの初期や白黒ニキビがメインの人に処方します。微小面皰(目に見えない極めて小さい毛穴のつまり)にも効果があるため、よくなった状態を維持する治療に有効です。

妊娠中、授乳中の方は使用できません。乾燥、皮膚のカサカサ、赤み、ヒリヒリ感、かゆみなどの副作用があります。多くは最初の2週間以内にみられ、そのあと次第にやわらいできます。これらの副作用は8割の人にみられますが、どうしても使えないという人は1%に過ぎません。使用量を調節したり、保湿剤を併用したりして、副作用を軽減します。

ベピオゲル

ベピオゲル/ベピオローション

過酸化ベンゾイルという有効成分が主成分の薬です。角質剥離作用と、抗菌作用があり、白ニキビだけでなく赤ニキビも多い人に処方します。アクネ菌への抗菌作用は、耐性菌がないということがメリットです。ときどき、かぶれる人がいるので注意が必要です。

デュアックゲル

デュアックゲル

過酸化ベンゾイルと抗生物質のクリンダマイシンが混ざった薬です。ベピオゲルよりも過酸化ベンゾイルの濃度が少し高いです。炎症のあるニキビが多い人に処方します。継続使用は抗生剤の耐性菌を作ってしまうため、適切なタイミングで、アダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル単体に変更します。

エピデュオゲル

エピデュオゲル

過酸化ベンゾイルとアダパレンが混ざった薬です。重症度が中等度以上のニキビに処方します。ベピオゲルとディフェリンそれぞれの副作用が出る可能性があるので、まずはどちらかを使用してから処方することが多いです。

薬の働き

2.3 保険外治療の薬

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体を含む内服薬です。ニキビの原因である角化異常を改善し、皮脂分泌を抑制することで、重症のニキビに効果があります。重大な副作用として催奇形性があるため、妊娠されている方、近いうちの妊娠を望んでいる方、授乳中の方は内服できません。海外ではニキビ治療に必要不可欠な薬として認知されていますが、日本では厚生労働省の許可がおりていないので、保険が適応されません。

治療名イソトレチノイン
患者様属性(治療時)10代 女性
リスク・副作用むかつき、粘膜(唇など)の乾燥、鼻血
イソトレチノイン 10mg(30錠)15,000円
イソトレチノイン 20mg(30錠)30,000円
【学生内服治療(高校生以下)】イソトレチノイン 10mg(30錠)12,000円
【学生内服治療(高校生以下)】イソトレチノイン 20mg(30錠)15,000円

※イソトレチノインに関する詳細ページはこちら⇒イソトレチノイン詳細

2.4 漢方

ニキビに効果のある漢方薬は、清上防風湯、荊芥連翹湯、桂枝茯苓丸加薏苡仁、十味敗毒湯、当帰芍薬散、黄連解毒湯などがあります。ニキビを直接治すというよりも、ニキビ肌を改善していく目的で症状にあわせて処方されます。

漢方

3.薬の使い方と注意点

ニキビの処方薬には、それぞれ特徴や違いがあるので、合ったものを使用する必要があります。例えばディフェリンゲルは、白ニキビに特に効果があり、ニキビの前段階の微小面皰から予防できます。しかし妊婦さんや授乳中の方は使用できません。一方ベピオゲルは抗菌作用がありますが、100人中3人程度の頻度でかぶれることがあります。
またニキビの治療薬は、使い始めに刺激があったり乾燥したりするので、使用のコツや副作用かどうかなどは診察時に医師が見極める必要があります。

4.まとめ

ニキビは、尋常性ざ瘡という、皮膚の慢性炎症性疾患です。病気なので、病院やクリニックで治療を受けることができます。早く治したい場合や難治性のニキビには自由診療で治療します。これらの治療は医療機関でのみ許可されている治療です。

ニキビには、さまざまな原因や症状がありますので、それぞれに対応した治療が必要です。早めに皮膚科で相談しましょう。

当院では、保険治療ではなかなか治らない重症化したニキビに有効なイソトレチノインを取り扱っております。ニキビ痕でお悩みの方に有効な施術もございますので、一度ご相談下さい。

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